• テキストサイズ

日常から非日常へ 【薄桜鬼】

第19章 眠れぬ夜に


それから二ヶ月が経った慶応三年の三月。


「…寝れねぇ…。」


布団の中で何度も寝返り打つけどどうにも寝れない。


「千鶴ちゃん起きてるかなぁ…。」


本当はダメだけど、千鶴ちゃんと少し話しよう。
起きてなかったら大人しく戻って寝る。



ヒタヒタ…


こんな時間に起きてんの俺だけなんだろう。
しんと静まり返ってる。
土方さんにバレなきゃいいが。


「…あれ、千鶴ちゃんの部屋の障子が…。」


不思議に思った俺は部屋を覗く。そこには、今まさに斬りかかろうとしている…羅刹の姿が目に入り。


「千鶴ちゃん!!!」


俺は咄嗟に千鶴ちゃんとの間に滑り込み、庇う。
刃はもちろん間に入った俺を狙うはずで。


ザシュッ…


「ぐっ…ぅ…!」


右肩を斬られてしまった。


「あ…潤!?」

「いてて…千鶴ちゃん、怪我ねぇか?」

「私は大丈夫だよ!それより潤が…!」


「ヘーキヘーキ…こんなんかすり傷だよ。」


斬られた肩口を押さえながらこちらも刀を構える。
でも、何故かおかしい。
斬られた時はすげぇ痛かったのに今は痛みが無い。
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp