第19章 眠れぬ夜に
慶応三年、一月…。
千鶴ちゃんに隊服を直してもらおうと探している時だった。
「伊東さんに接待されただぁ?」
「しーっ!声がでけぇぞ、左之」
「…ん?」
すっとんきょうな声が聞こえたかと思えば、すぐに新八さんの制止する声がする。
伊東さんに接待された…?
新八さんも…?
ここ最近、やたらと伊東さんが絡んでくる。
今の新選組に不満はねぇかとか、攘夷のできない幕府はお終いだ…挙句の果てには自分と一緒にここを出ていかないかとか…。
でも、そうか…。伊東さん色んな人に声掛けてんだな…。
土方さん達はどうするんだろうか…。