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日常から非日常へ 【薄桜鬼】

第18章 島原でのひととき


「…。」

部屋に通されてから俺は言葉を発してない。
見たことないものや高そうな飾りばかり…。俺場違いじゃね?千鶴ちゃんも俺と同じようなことを思ってるのかあたりを見回している。

すると、襖が開く。

「みなはん、おばんどすえ。ようおいでにならはりました。旦はんたちのお相手をさせて頂きます、君菊どす。どうぞ楽しんでおくんなまし。」

同じ女性なのかと思ったら声が出なかった。俺なんかより優雅な動き、仕草…。
なんだろう、帰りたい。


しばらくみんなが飲み食いをし始める。
やっぱみんなこゆとこ慣れてんだろうな…。

「潤。箸進んでねぇじゃねぇか。食わねぇのか?」

不意に左之さんから問われ、びっくりしたが、

「あ…えと、なんか雰囲気に気後れしたと言いますか…。」

もうすでに酔っているのか、左之さんの顔がほんのり赤い。
それが妙に色っぽく映って、ドギマギしながら答える。

「そうか。でも、ちゃんと食えよ。こんな機会滅多にねぇんだから。遠慮なんかすんな。」

「そうそう、左之の言う通り!」

「お前の場合はもっと遠慮っつー言葉を知れ、新八!」

段々と屯所内での光景と重なり、俺は緊張が解れたのを感じた。

「…ありがとうございます、左之さん。」
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