第17章 発覚と違和感
死病…労咳…。
部屋へ戻った俺の頭の中は、さっきの会話でいっぱいになる。
その時俺は、ふと、感じた。
「総司君の病気…なんで俺気づかなかったんだ…知ってるはず…だよな…?」
俺…記憶が…?
「潤。俺だ、原田だ。今いいか?」
「左之さん……?ど、どうぞ。」
襖越しに声が聞こえてきて、入ってきたのは左之さん。
部屋に入り、俺と対面するように座る。
「珍しいですね、左之さんが訪ねてくるなんて。あ、お団子食べます?」
俺はなるべく、明るい声で問いかけ、箪笥に入っている団子を取り出す。
すると、左之さんから
「お前…やっぱりなんか悩んでんのか?」
「え、な、なんの事ですか…。俺は別に悩んでなんか…。」
「嘘つけ…昨日の健康診断の時、明らかに態度可笑しかったじゃねぇか…それによ。」
「…それに…?」
一間置いて、左之さんが答える。
「千鶴がな、すげぇ心配してたぞ。」
「…千鶴ちゃんが?」
「あぁ、昨日潤を部屋に送った時の様子が変で、私何かしたんでしょうか…って、相談してきたんだよ。」
あー…俺のバカバカ…千鶴ちゃん不安にさせてどうすんだよ…。
「後でちゃんと謝りに行ってこいよ?」
「…はい。」
「で…お前は何を隠してんだ?俺でよけりゃ話聞いてやるぜ?」
「隠してる、と言うか…。」