第15章 鬼、再び
「千鶴ちゃん!!」
俺は咄嗟に声をかけ、千鶴ちゃんをなんとか風間さんから引き離す。
「ほぅ…お前も来ていたか山中潤…。丁度いい、お前も俺と共にこい…。」
「や…やなこった!誰が行くもんか…!千鶴ちゃんも行かせてたまるかよ!」
「潤…!」
庇うように千鶴ちゃんを後ろにし、俺は
風間さんと向き合う。
すると、闇を裂く何かが風間さんを後ろへと避けさせる。
「おいおい、こんな色気のない場所、逢引きにしちゃ趣味が悪いぜ…?」
「…またお前たちか。田舎の犬は目端だけは利くと見える。」
「…それはこちらの台詞だ。」
槍を構えた左之さんと、一君が立っていて。
「原田さん!斎藤さん!」
「…下がっていろ。」
俺と千鶴ちゃん、二人の肩を掴み後ろに下がらせると、左之さん達と同様風間さんと対峙する。
「土方さん…。」
千鶴ちゃんと俺の声が重なったのはほぼ同時だった。