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日常から非日常へ 【薄桜鬼】

第14章 不思議な少女


俺達が路地へ入った時には、既に総司くんが間に入っていた。

「なに!?…その浅葱色の羽織…!」

「新選組か!?」

浪士達が俺達の正体に気付いたらしい。

「知ってるなら話は早いよね…どうする?」

刀に手を掛ける総司くんの凄みが伝わったのか、くるりと踵を返し、ひとりが路地裏に消えた。

「お前はどうする?」

「まぁ、お前一人残ってもこの人数相手だ。勝ち目はねぇぜ?」

平助が問いかけて俺が追い討ちのように言う。
浪士が目を泳がせる。

「…覚えてろ!!」

捨て台詞を吐いて逃げていった。

「いやいや、覚えてろって言われても、名乗られてもいねぇから無理だろ。」

ふたりが消えると、乱れた襟元を直し、総司くんの前に立つ。
美人やなぁ…。

「ありがとうございました。私、南雲薫と申します。」

優雅な所作で頭を下げる、薫と名乗る少女。
でも、総司くんはそれに応えず千鶴ちゃんの腕を掴んで引き寄せた。
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