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【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】

第28章 病院にて。





でも……それならどうしてこんな空気なの?
もっと喜んでもいい筈なのに。


嬉しくて笑いそうになった私は思わず眉をひそめた。



『あの……無傷なんですよね?
どうしてそんなに深刻そうにしてるんですか?』


「……もちろん無傷です。
意識もハッキリしています。
でも、少し問題があってですね…」


『もんだい…?
何ですか…?』


「実は、意識が戻ってからずっと何かに怯えているんです。
誰もいないのに来ないで!って叫んだりもしてて…。
何か心当たりはありませんか?」



心当たり…。
そんなもの無いけど…。


と言うか、誰もいないのにって…。
それってイコール幽霊なんじゃ?


……なんて馬鹿なこと言ってる場面じゃないか。
こんな私でも空気くらいは読みますよ。


私が頭を横に振ると、お医者さんも先生も頭を悩ませた。
そうとう参ってるみたい。



『……あの、ルカちゃんと会っちゃダメですか?
ダメなら見るだけでも良いんです…!
お願いします!!』



頭を深く下げる。
するとお医者さんは優しく。



「良いですよ。
でも今は精神が安定していません。
刺激するようなことはしないで下さいね」



その言葉に私はお礼を言い、看護婦さんに連れられてルカちゃんのいる病室の前に来た。


病室に入ってないのに、中から物音や声が聞こえる。
まるで何かを追い払おうとしてるかのように…。



「入っても良いですよ。
私はここで待ってるので、何かあったらすぐに知らせて下さい」


『はい。
ありがとうございます…』



扉に手をかけ、深呼吸をする。
この先にある何かを迎えるために……。


ゆっくりと扉を開けると、勢い良く飛んできた何か。
これ、携帯?


勢い良く壁に当たったそれは画面が割れている。
他にも色々と投げたみたいで、床に物が散乱している。









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