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【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】

第28章 病院にて。





「リア!!」


『せん……せ…』



あの後私は救急車に乗り病院に来ていた。


お医者さんに何を聞かれても、まるで耳栓でもしてあるかのように頭に入ってこなかった。


連絡を受けたのか学校の先生がたくさん来て、私の元に駆け寄る。



「大丈夫だったか?
災難だったな…」


『私は……大丈夫…です……。
でも、ルカちゃん……が…』



全部を言い終わる前に、私の目から涙が溢れた。
やっぱり嫌だよ…。


酷いことされても、それでもやっぱり心配だよ…。
死んで欲しくなんかない…。


先生達は何も言えないのか、少し間をとって椅子に座った。
そして少したったとき。



「……先生、少し宜しいですか?」



お医者さんが来て、先生は連れて行かれた。


ルカちゃん大丈夫だったのかな…?
死んでないよね…?


握っていた拳が震える。
それに気付いたのか、1人の女先生が。



「大丈夫よ。
きっと大丈夫…。
今は信じましょう?」


『は……い…』



そうは言われても、体は震えるばかり。
そんなとき頭に浮かんだのは精市。


そばにいて欲しい…。
大丈夫だよって言って欲しい…。
優しく微笑んで抱きしめて欲しい…。


でも……ここに精市はいない。
……駄目、なんだか泣きそう。



「リア!
ちょっと来てくれ…」



先生に呼ばれ、目に浮かんだ涙を拭き取る。


先生について行き1つの部屋に入る。
中にはお医者さんと数人の先生。
緊迫した空気に強ばった顔。


どうしたんだろう?
この空気なに?


しばらく黙っていたお医者さんが、口を開き。



「……桜野さんは大丈夫です。
まるで何かに守られていたかのように無傷です。
これは奇跡としか言い様がない…」



桜野というのは、ルカちゃんの苗字。


お医者さんの言葉にホッと安堵し思わず涙が出た。









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