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【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】

第27章 君は誰。





私は持って来ておいた鞄を開けルカちゃんから袋を受け取った。結構でかいなこれ…。


部活用品満載な私の鞄はそれなりの隙間しかない。これはいるかなあ?


少し鞄の中を整理しようと手に何個か荷物を取り出す。その時、鞄からパサリと落ちた何か。


え?何落ちたの?前に鞄を持ってるせいで見えない。


その時ルカちゃんが落ちたものを拾い上げた。


あ……それ…私が皆に用意したクリスマスプレゼント。


考えていたお守りと少し変え簡単にした物。


てか簡単にしないと無理でした。皆の名前とか縫えない…!だからイニシャルにした。


そんなこんなで作り上げた我が大作。それを見つめるルカちゃん。


ちょっと待ってよ…。これは少しばかり危険じゃ?


寒い筈なのに私の額から汗が流れた。これはいわゆる冷や汗というものだね?


なんて考えてる暇あるかーっ!!!



「……これってもしかしなくても、皆にあげるつもりだよね?」




そういうルカちゃんの目はあの時と同じ。冷たい目だった。



『え…いや、まあそう……なんだけど…』


「やっぱり?あははっ!
まだ分かんないのかなぁ?
もっと……もっともっともっともっともっと痛い目見なくちゃ分からないんだ?」


『ルカちゃ……』


「こんな欲にまみれた汚い汚物なんて捨てちゃおうね?
ふふっ!あはは!」


『だめ!やめて!!』



そう叫んだのも虚しく投げれる大作。


パサリと道路に落ちるクリスマスプレゼント。


でもそんなのお構いなしに条件反射でつい道路に駆け込みお守りを掴んでいた。そして聞こえる懐かしい音。



“プーーーッッ!!”



クラクションのなる音に運転する人の目を見開く顔。周りの悲鳴。


そして…………ルカちゃんの狂った笑顔。


また私は死ぬのかな?タイムスリップしてもひかれて死ぬなんて。私車恐怖症になっちゃうよ。









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