【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】
第20章 放置ごめん。
丸井「……びっくりした。
それに、少し、ショックだった……」
『だよね。
じゃあさ、それを聞いて私や精市のこと嫌いになった?』
丸井「……は?
なるわけ無いだろぃ」
『良かった…。
例え一緒に暮らしてても、ブンちゃんと私達は変わらない。
ならそれで良いんじゃないかな?
私が言える立場か分からないけど…』
ブンちゃんに笑いかけると、その顔が少し赤くなった。電車内は明るいから丸見えだなぁ。
まあなんで赤いのかは不明だけど。
『あ、ついたよ』
丸井「あ、ああ…」
電車を降り駅を出る。ここからは別々。ブンちゃんと精市の家は反対だから。
『じゃあ、またねブンちゃん。
おやすみなさい』
丸井「……………」
何も反応しないブンちゃんに少しさみしい気分になりつつ、私はブンちゃんに背を向けた。
丸井「……っ花奈!!」
『へぁ!?』
腕をひかれ、振り返りながらバランスを崩す。気がついた時には、私はブンちゃんの胸の中にいた。
ど、どうゆう状況!?なんで私ブンちゃんに抱き締められてるの!?
訳もわからずあわあわする。顔だって熱が集まってるし、さっきのブンちゃんに負けないくらい赤くなってると思う。
丸井「……幸村くんにはホント嫉妬するよな。
花奈と一緒とか何だよそれ」
『え?なんて?
聞こえない……』
丸井「幸村くんと付き合ってるから諦めてたのに…。
でも、これからは違うからな」
顔を上げると、暗闇でも分かるほど真剣な顔をしたブンちゃんと目が合う。こんなブンちゃん、始めてみたかも。
『……え?
ぁ……………へ!?』
丸井「じゃあな花奈、おやすみ。
………あ、俺のこと“ブンちゃん”じゃなくて“ブン太”って呼べよ!」
『は、はあ……』