【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】
第19章 楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。
『っちょ!?
急に大声ださないでよブンちゃん』
条件反射でブンちゃんの口をぱしっと押さえる。ブンちゃんはもごもご言ってたけど無視!
丸井「……………ぷはっ!!
殺す気か!?」
『あ、息できてなかった?
ご、ごめんごめん』
誤魔化すように笑うも、ブンちゃんは少し拗ね顔。今なら死んでも悔いはない。とか言ってる場合じゃないな。
『それで?
何でそんなにびっくりしたの?』
丸井「……体育祭のとき、幸村くんが“花奈は俺の大切な人だ”って言ってたから、てっきり付き合ってんのかと思ってた」
『精市が?
……あ、分かった。
大切って異性とかじゃなくて、家族としてだと思うよ?』
丸井「か、家族?」
『うん。
私、少し訳ありでね、精市の家にお邪魔してるの』
そう言い笑うと、ブンちゃんは数秒……いや、数分フリーズした。ほっぺたをつつくとはっとしたかのように我に帰り。
丸井「お、お邪魔してるって、一緒に住んでるってことか?」
『そうだよ?』
丸井「……マジかよぃ」
『まあびっくりするよね』
そのあとブンちゃんは、1人ぶつぶつ呟やいていた。すこし不気味。
そんなにカルチャーショックだったのかな?まあ当たり前か…。
『ブンちゃん!
順番きたよ』
丸井「ん?あ、ああ…」
無事お菓子を買え、今度はゆっくり歩きながら駅まで行く。ちょうど電車が発射する時で、急いで乗り込むと電車は発車した。
ブンちゃんは何も話してくれない。そんなあからさまに態度かえられたら困るんだけど……。
この時間帯の電車は誰も乗っておらず、私とブンちゃんの貸切状態。隣同士でイスに座るも、微妙な空気が流れる。
流石に耐えきれなくなった私は。
『…ねえブンちゃん。私が精市と一緒に暮らしてるって聞いて、どう思った?』