第19章 楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。

そういいブンちゃんに笑いかけると､ブンちゃんは呆れたようにため息をついた｡



丸井｢まあ良いけどよ。
にしても花奈､よく俺に追いつけたな｣


『んー?まあ､ね』


丸井｢少し走るけど､体力あるか?｣


『ブンちゃんよりかは無いと思うけど､それなりにあるよ』


丸井｢なら大丈夫だろぃ。
しんどくなったら言えよ｣


『おっけー』



ブンちゃんの隣に走っていたけど､道が分からないから後ろに移動する｡


ブンちゃんは少しスピードを落として走ってくれていたけど､私が余裕そうなのを見て安心したのかスピードを上げた。


それにしても､ブンちゃんに着いていけるって私すごいな｡まあ今はまだブンちゃんも発展途上なだけか…。


2年3年になって来たら､私なんて追いつけないくらい速くなるんだろうな…｡嬉しいような悲しいような､複雑な気持ち。



丸井｢花奈､着いたぞ｣


『ん?
うわぁ…大人気』


丸井｢ここのお菓子屋は有名だからな。
でも､まだ並んでるって事は売り切れてねぇみたいだな。
よっしゃ!｣


『ヨカッタネー。
でもこれはかなりと時間が掛かりますな』



喋ってる間にも列は伸びていくので､ひとまず最後列に並ぶ｡うわ､クッキーの美味しそうな香りがする。


焼肉食べたばかりなのに､ちょっと小腹空いてきたかも｡ブンちゃんも鼻をすんすんさせている｡可愛い。



丸井｢てか､よく1人で来たよな。
幸村くんとか一緒に来そうなのによ｣


『まあ来そうだったのは当たり。
でも､家に帰ったら精華ちゃんが待ってるから』


丸井｢せいかちゃん?
誰だよそれ。
幸村くんの彼女?｣


『あはは!まさか。
精市はフリーっすよ。
精華ちゃんは精市の妹!
めっちゃ可愛いんだよー』


丸井｢へぇ､幸村くん妹いたんだ。
ん?フリー?
……………はあ!?｣