第19章 楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。

桑原｢ふぅ……食ったな｣


真田｢うむ!満足だ｣



そりゃ満足するでしょ｡あれだけ食べたら…。


この人達､焼肉30人前を平らげやがった｡店員さん泣いてたよ｡かわいそうに…。


今は帰りの駅に向かっている｡夜は涼しくて気持ちいいなぁ｡



丸井｢また､こうやって皆でどこか行きてぇな｣


『行きたいじゃなくて､行こうよ!』


柳｢そうだな｣


仁王｢今度はどこに行くかのぉ｣


丸井｢…………ああ!!｣



うぇ!?な､なに?


ブンちゃんが急に大声を出し､立ち止まった｡そんなやっちゃったみたいな顔してどうしたんだろ?


心なしか顔が少し青ざめてるみたいに見えるけど…。



丸井｢今日夜限定のお菓子うってんの忘れてた!!
やっべぇ売ってっかな!?｣


『ちょ､ブンちゃん!?
もう駅つくのに行くの!?
しかも結構な時間だよ!?』


丸井｢夜限定だしまだ大丈夫だろぃ!
俺いってくる!!｣



そう言い残し､ぽかーんとする私たちを置いて走り出したブンちゃん｡そこまでして行くかい?


あ､というよりこんな時間に1人は危ないって!!ブンちゃんは男子だけど男子に見えないくらい可愛いですから!



『わ､私も行ってくるよ!
ブンちゃん1人は危ないし。
皆は先に帰ってて良いよ!!』


幸村｢花奈!?
行くなら俺も……!｣


『大丈夫ー!
じゃあ皆､またねー!!』



精市の言葉を遮り､皆に手を振り別れる｡


あーこれ帰ったら絶対に精市に怒られるパターンだわ｡まあしょうがない。


少し前を走っている赤髪を見つけ､迷惑にならない程度の大声を出す。



『ブンちゃーーん!
ストップーーー!!』


丸井｢んな!?
花奈､なんで来たんだよぃ!?｣


『1人は危ないでしょ?
それに､私もその夜限定のお菓子ほしい』