第17章 代わりに貰った。

『……私の運は尽きた』


｢どんまい！｣


『最高のスマイルをありがとよ、ブンちゃん』



さっきまで連続で当たって、リーチまできたのに…｡
そこから全く当たらない。


その代わり…



｢あ、ビンゴだ｣


『やっぱり精市は選ばれし神の子なんだね』


｢変なあだ名をつけないでくれ｣



えぇ！？
変なあだ名だって！？
私は好きだけどな。


精市さんや、原作ではバリバリそのあだ名が使われる事になってますよ？



『なに貰うの？』


｢んー…。花奈にあげるよ。
俺はただやりたかっただけだから｣


『え！？ほんと！？
ありがと精市！大好き！』



そう言って私は冗談半分で精市に抱きついた｡
そしたら意外にも精市の顔はタコになった。


いやいやいや！！
さんざん私にしておいて照れないでよ！
なんか恥ずかしいじゃん。



｢イチャついとるのはいいけど、早く景品貰ってきたらどうじゃ？｣


『はっ！そうだった！
ちょっと行ってくるね』



精市と私のカードを取り換えっこしてもらうと、私は係りのお姉さんに｢ビンゴー！｣と言いながら駆け寄った。



｢間違いなくビンゴですね！
おめでとうございます！
この中から好きな物を選んでください｣



テーブルの上に置かれた様々な景品｡
豪華なものはないけれど、どれもちゃんとした景品だ。


私はその中から迷わず1つの景品を手に取り、お姉さんにお礼を言って皆の元に戻った。



｢なに貰ったんだ？｣


『これ！』


｢……ビー玉か？｣


『まあ、簡単に言っちゃえばそうかな？』



私が貰った景品は、ビー玉みたいな丸い玉の付いたストラップ｡
それぞれにうっすらと色が付いていて可愛いのだ。


袋に入ったそれは合計で……少なくとも5個以上はあるはず！



｢なんでそれにしたんだ？
そんなのそこら辺で売ってんだろぃ？｣