【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】
第11章 9月はなにかと忙しい。
青鬼から逃げるべく、精市の手を握りながら走る。
「けっこう面白いね。
ふふっ。あれは気持ち悪いけど」
『なんでそんなに余裕なの!?
もういやだぁ!!』
物陰に隠れ、息をひそめる。
青鬼が来ていないかをそっと確認すると…
『…………』
「…………」
『…………』
「…………びびったぁ」
『きゃぁぁああぁぁ!!?』
ちょうど目の前にいた青鬼に見つかった。
てか中の人も驚いてたし!
そりゃ驚くよね!
だって人間だもの!!
『精市、精市、精市!!
逃げよう!割とガチの方で…!
……あれ!?』
精市どこ行ったの!?
さっきまで掴んでいたはずの左手がどこにもない。
ウ、ウソでしょ!?
誰もいない怖さと、後ろから来ている青鬼の怖さに、私はつい涙を流していた。
『うっ……精市どこぉ……』