【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】
第11章 9月はなにかと忙しい。
体育祭が終わり、すでに皆はだるだるモード。
……な訳にもいかず、海原祭の始まりだー!!
海原祭というのは、簡単に言えば学園祭みたいなもの。
自分達で店開いたり劇やったりするあれなのだ。
体育祭と海原祭が同じ月にあるとか地獄でしょ。
私に休息をくれ。
私のクラスはなんか……何だっけ?
何するんだっけ?
アーワスレテシマッタナァ。
「花奈、現実逃避はそこまでだ。
早くこれ着て」
『精市さんや、心を読まないで…』
「出来るわけないだろ?
思いっきり声に出てた」
『マジすか。
てかいろんな意味でマジすか』
精市に渡された品、それは私のクラスでやる部活喫茶に必要不可欠な物。
ここで説明しよう。
部活喫茶というのは、各部活のジャージや服や品を使った喫茶店の事である。
だから精市はレギュラージャージを着ている。
私はマネージャーだから制服でいいはずなのに、精市がつまらないとか言い出したから、なぜか色んな物を追加された。
まず制服の上に精市に借りたジャージ(上)。
そして頭に猫耳。
…………誰得!?
ねぇ誰得なんですか!?
「着たね。
じゃあ行こうか」
『確か、私たちは呼び込みという名のサボりだよね』
「言い方わるいけどその通りだよ。
さあ、真田と柳でも見に行こうか」
『やっぱ気になるよね』
一応仕事はしてるよ?
看板もってぶらぶら歩き回るのが仕事なの!
まあそれも前半で終わり。
後半は他の人に任せて、私達は自由行動。
そしたらこの服ともオサラバなのさ!
あー早く後半こい…!!
『ぶふぉ!?いったた……。
ちょっと精市!
なに急に立ち止まったのさ』
「…………」
『あれ?おーい。
精市?幸村精市くーん?』
「ぶはっ!!」
『……え?』
あのいつも涼しい顔して微笑むだけの精市が吹いただと?
めっちゃ笑ってますやん。