第11章 9月はなにかと忙しい。

なにごと？
精市の目線の先に顔を向けると…



『……弦くん？』


｢なっ！？幸村と花奈がどうしてここにいるんだ！
お前たちも前半のはずじゃ！？｣


『うん、だからこうして呼び込みを。
弦くんのその格好、なに？』


｢い、いやこれはだな…！！
その…だな…！｣



弦くんはなぜかリラックスの服を着ていた｡
ほら、顔だけでる部屋着あるでしょ？


それは基本、女子が着るものだと思っていたのだけど…｡
そんな格好をしながら弦くんはわたがしを売っていた。



『弦くん、超かわいい！』


｢そ、そんなこと言われても嬉しくないぞ！！｣


『ん？
まさか蓮二もなにか着てるの！？』



弦くんにはかわいそうだと思うけど、私の格好もだいぶと可哀想なんだからお互い様だ。



｢なんの騒ぎだ？
精市と花奈？
……なるほど｣


｢な、なんでそんな格好してるんだい？
ふふふ…！あははっ！｣


『精市、笑いすぎだっての。
てか蓮二も可愛い。
写真撮影OK？』


｢NO｣


『マジかぁぁ！！
天使が2人もいるのに…！』



なぜか蓮二はコリラックマの格好をしていた｡
2人並ぶと可愛すぎて悶える。


精市は柄にもなく声をあげ笑っている｡
弦くんは顔を真っ赤にさせてるし、そのくせ蓮二は無表情｡
さすがだ。



｢しょうがないだろう。
クラスメイト全員に頼まれたんだからな。
断るわけにもいかなかったんだ｣


｢花奈のその格好はなんだ？
そうゆう趣味だったのか？｣


『弦くん、私の印象が悪くなる発言は控えて下さい｡
隣の人が無理やりさせたんだよ』


｢それって俺のこと？｣


『もちのろん』


｢やだなぁ。
そのおかげでこうして楽できてるんじゃないか｣



う……｡
それを言われたらもう何も言いかせない｡