第8章 体育祭は勝つべきもの。

これは絶対に勝たないと、何されるか分からない｡


さっきまでの爽やかスマイルどこいった！？
やっぱり精市は精市だね！
期待裏切らない！！


立海がどうして強いのか今分かった｡
3年間こんなのされたらそりゃ強くなるよね｡
あーなっとくしたなぁ！


とりあえず指定された場所に行こう｡


よし、いっちょやってやりますか！
元々運動は苦手ではないし、頑張れば1位も夢じゃない｡


……お題によるけど。



｢位置についてー、用意………｣


“パンッ！”



1列目の人が一斉に走り出す。


私は2列目だから、次じゃん。
早すぎでしょ。



｢美人or美少女！？
んなもん人それぞれだろうが！！｣


｢カツラしてる人…？
え、それ色んな意味でアウトじゃ？｣


｢未婚、高収入、イケメン…！？
現実見ろよこれ書いたやつ！！｣



うっわー…｡
私、種目選択ミスったな｡
まさかここまで変なもので来るなんて思わないじゃん？


あ…。あの先輩、美人で噂の｡
あらら。そんな人と手を繋いで走ってるから男子からブーイングの嵐。


カツラさんは、あー校長連れて行っちゃった｡
それ完璧アウト！
校長の顔が悲しい！！


叫んでた人、自分1人でゴール行っちゃった。



｢俺は将来、高収入になる男だ！
これでいいだろ！？｣



訳わからん。



｢次の列、並んで下さい｣



やばい、今更ながら緊張してきた｡


深呼吸をしていると、遠目に精市が見える｡
なになに？
口ぱくで何か言ってる。



“か て よ”



……一瞬にして緊張が解かれた｡
ある意味ありがとう精市｡
でもその微笑み怖すぎね。



｢位置についてー、用意………｣


“パンッ！”



音が鳴ると同時に前に出る｡
スタートダッシュは成功、1番前を走る｡
箱の中にある紙を選び開いてみる。



『…っ！？
……よし来た！』



私は紙を見たとたんすぐに走り出した。