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【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】

第7章 景吾の美技がすごい件について。





『弦くんお疲れ様ー。
圧勝だね』


「当たり前だ」



今、弦くんの試合が勝ちで終わった所。
さっき蓮二も勝ってたし、精市で優勝決めちゃうかな?


でも、その相手が景吾なんだよね。
たとえ勝てなくても、私にとっては面白い試合になりそうな予感がする。


楽しみだなぁ…。



「精市の相手の跡部という選手、かなりの実力をもっているそうだ。
大丈夫だとは思うが、用心してくれ」


「分かった。
花奈、ちゃんと見てて」


『もちろん。
ちゃんと見てるから、勝って来い!』



そういい背中を押してあげると、精市はまっすぐコートに向かって歩き出した。


精市と景吾がコートに立ち、握手をする。
ラケットを使ってサーブ権を決めると、お互いの立ち位置に立った。


景吾からのサーブが精市のコートに入る。


今のサーブ、精市なら取れる筈なのに、わざと取らなかった。


もう一度放たれたサーブを精市はいとも簡単に打ち返す。
景吾は面白いとでも言うかのように笑った。


それからほんの数十分。
決着はたやすくついてしまった。
結果は、立海の全国大会優勝。


帰ってきた精市は汗1つかかず、涼しい顔をして皆に囲まれていた。
その隙をついて私は氷帝の元に行く。


1人木の影にいた景吾。
その姿は王様でもなんでもない、ただの男の子。


そうだよね。
景吾だってまだ中学1年生なんだよね。
私と同じ……。



『景吾』


「………なんだ?」


『景吾の美技、かっこよかったよ。
頑張ったね、お疲れ様』



それだけいい、私は景吾にドリンクとタオルを渡した。
景吾は少しだけ顔をあげ、小さな声でお礼を言った。


その声が少しだけ情けなくなっていたのは、私の勘違いにしておくね。


汗だらけの景吾の頭を優しく撫で、立海のコートに戻ろうとしたとき…



『ほわっ!?
ちょ…!景吾!?』


「うるせぇ、少し黙ってろ」









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