【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】
第6章 初の全国大会。
「そんなの知らないよぉ…!
ふぇぇーん!」
あわわ!な、泣いちゃった。
私が泣かせたの!?
女の子泣かせるなんて初だよ!
『と、とりあえず、ルカちゃんは皆の様子みてて。
私はドリンク作り直すから』
「花奈ちゃん優しいねぇ~!
ありがとぉ」
『え!?あ、そ、そうかなぁ?
あはははは…!』
「じゃあ後はよろしくねぇ。
精市くーーん!」
な、何あれ…?
涙なんかカピカピでしたよ?
濡れてすらなかったよ?
……え!?
どうゆうことかな!?
んー…。私の頭じゃ理解できない。
ひとまずドリンク作って渡していこう。
適当に、恐らく美味しいであろうドリンクを皆に渡して行く。
『はい精市、ドリンク』
「ありがとう、花奈。
わざわざすまない」
『いいよ。気にしない
「精市くーん、試合頑張ってねぇ!」
突然、私と精市の間に入って来たルカちゃん。
精市は嫌そうな顔をしながらも適当に対応している。
ルカちゃんはそんな事おかまいなしに、精市の腕に自分の腕を絡ませている。
ルカちゃん美人だし、お似合いだな。
“チクリ…”
『ん?』
なんか胸が痛い。
病気?
そんなわけないよね。
健康なのが私の取り柄なんだし。
でも、なんでだろう…。
どうして、ルカちゃんと精市が仲良くしているのを見ると胸が苦しくなるの?
変なの……。
「試合はじまるぞー。
レギュラーはコートに入れ」
こうして、私たちの初めての全国大会決勝戦は始まった。