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【トリップしたけど…】テニスの王子様【どうするの?】

第5章 赤と白と黒に出会ってしまった。





「なっ…!?な!?」



あ、弦くんが真っ赤な顔して立ち尽くしてる。
うん、気持ちはわかるよ。


だって、たった今蓮二が私のほっぺにキスしたんだもん。
思わず私の顔が赤くなってしまうよ、全く。



「た…た……たるんどる!!」


『弦くん可愛い』



真っ赤な顔して言われても私を萌えさせるだけだぞ?
この歳から弦くんはたるんどるを使ってたんだね。



「花奈、ちょっと来てくれないかな?」


『うぇ!?
精市なんで怒ってるの!?
ちょ…!蓮二ー!!』


「すまない。
悪ふざけが過ぎたようだ。
健闘を祈る」



見捨てられました!?
嘘でしょ蓮二!!
弦くんは真っ赤で助けるとかの問題じゃない!


私は無理やり連れ去られ、人気のない場所に来ていた。



『せ、精市…?』


「なんでそう簡単に許しちゃうのかな」


『え?
許すって、なにを?』



そう聞いても、精市は何も答えてはくれない。


もしかして、怒ってる?
なんで?どうして?


瞳の奥がジンジンと熱くなってくる。
理由は分からないけれど、今すごく泣きそう。



「花奈?
なんで、泣いてるの?」


『だって…!精市が怒ってて……ヒック………理由も分かんないし…!
なんで泣いてるのか……っ自分でも……わかんなぃ…!』


「っ!」



精市は、強く私を抱き締めてきた。


いつもなら嫌がるかもしれないけれど、今はそれが優しくて嬉しくなる。
精市の胸の中が、ただただ暖かい。



「ごめん。
ただ花奈にキスした柳に妬いただけなんだ。
泣くなんて思わなかった」


『……私も、急に泣いてごめん。
もう大丈夫だよ』


「そう?
…でも、やっぱりお仕置きはしておくね」


『へ?
……ひゃっ!?』



離れたと思った精市が、私の髪を退かし、首筋に顔をうずめた。









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