第5章 赤と白と黒に出会ってしまった。

そのあと私は弦くんと教室の分かれ道まで一緒に行った｡


今は放課後、部活が始まるよ！



｢花奈、ドリンクくれないか？｣


『はいはい｡
どう？
レギュラー取れそうな感じ？』


｢そうだね…｡
このままいけば、俺と真田と柳ら辺がレギュラーを取れそうかな｣



やっぱりね…｡
原作ではその3人が1年からレギュラー｡
もはや天才としか言い様がない。



｢……花奈、あの子には気を付けてくれ｣


『え？
あの子って、ルカちゃんのこと？』


｢ああ。一応だけどね｣


『んー…。
まあ精市がそう言うのなら』


｢いい子だ｣


『わ！
ちょ、精市っ！？』



精市は優しく笑うと、あまり差のない身長で私の頭を撫でた｡


う…！
嬉しいけど恥ずかしい！！


だってあの精市に頭なでなでされてるんだよ！？
失神もんですわ。



『てか！こんな事してるから付き合ってるとか噂がたつんだよ！』


｢俺は嬉しいけど？｣


『な…ぁ…！？…う……あ…！』


｢ふふっ。顔が赤いよ？｣



誰のせいだと思ってんだ！
これ以上ここにいたら危険だ。
蓮二の所に逃げよう。



『蓮二ー！かくまって！』


｢花奈か｡
精市に弄られていたのか｣


『さすがです』


｢あれは精市なりの表現だ｡
理解してやってくれ｣



表現？なんの？
蓮二さん、精市と仲良くなったね｡


まあ悪かったらそこでもう原作狂ってるって事だから良いんだけどさ。



『表現って…。
…まさか奴隷の？』


｢…なるほど｡
花奈は鈍感なんだな。
精市も苦労しそうだ｣


『え…？え？』


｢少しこっちに来てくれ｣



手招きをされ蓮二に近づくと、急にイケメンな顔が目の前にあった｡
それと共に聞こえるチュッという音。


ん？何事だい？