第4章 いきなり出会ったよ､黒帽子に。

｢あ、花奈。
試験どうだった？｣


『受かったよー』


｢そうか。おめでとう｣


『ありがと弦くん｡
あれ？蓮二は？』


｢先に帰ったよ｡
用事があるみたいでね｣



なーるほど｡
この感じはもうすでに仲良くなりましたーって感じかな？
まぁ仲良くなるのは知ってますけど。


もし原作通りに事が進んでいくのなら、今年から立海は全国2連勝｡
そして、精市は2年の冬に倒れる。


まあ倒れたとしても助かるんですけどね！
ヘタに動いて原作が狂ったら嫌だし、大人しくしていましょう。



｢花奈ちゃ〜ん！｣


『ほわっ！？』



誰かに後ろから飛び付かれた｡


ちょ、私より背が高いくせに体重を乗せないで！
軽いけどね！？



『…って、ルカちゃん！？』


｢もぉ〜、どこ行ってたのぉ？
せっかく2人受かったんだしぃ、仲良くしよぉ？｣


『あ、あはははは！
ソウダネー…』



精市と弦くんの視線が痛すぎて辛い…！


この子はルカちゃん。
もう1人の立海マネージャー｡


キャラメル色の髪を器用にまとめて、中学生なのに地味にメイクをしてる｡
立海の校則ってけっこうゆるいのかな？


さっきまでは真面目な優等生感を醸し出していたのに、今じゃ甘々ぶりっ子だ｡


まさかマネージャー受かるために演技してたとか？
女子ってコワイナー。
私もその女子だったわ…。



｢きゃーー！凄いイケメーン！
あたしルカって言いますぅ｡
花奈ちゃんとはお友達なんですぅ｣


｢……で？｣


｢え？｣


｢さっきからうるさいなぁ…｡
君みたいな子、見ててイライラしてくるよ｣



精市くん、それアウトーーーっ！！
ルカちゃんが超くやしそうな顔してるって！
唇噛んじゃってますって！



｢花奈、帰ろう｣


『へ！？あ…ちょっ！？』