第5章 好き。だからこそ(黒尾 鉄朗)
...溜め息をついて紅茶を飲む。鉄朗はその私の動きを見てニコニコしてる
「学校は?」
「今日は土曜だぜ?」
そうだった。.,.今日は、早く帰ろうかな。
「...ねぇ。..私、もう帰ってもいいかな」
びっくりしたように鉄朗は目を見開いた。
「...別に。」
と、拗ねたように唇を尖らせた。
「..,ん、..じゃあね」
カバンを持ってドアを開けようとした瞬間に手を引っ張られた。
振り向くと急に抱き締められた。
「...鉄朗.,.?」
震えた声で、私は彼の名を呼んだ。