第5章 好き。だからこそ(黒尾 鉄朗)
「....お前は、..何のために俺のそばにいる?」
突然そんな質問を投げ掛けられる。
そんな質問されたって、どんな答えが正解なのかわかんないよ。
好きだから。なのか。
相性がいいから。なのか、
..ただ、楽しいから。嬉しいから。優越感。快感。ただ、えっちしたいだけ。
愛してるって感情はあった。口に出さないだけ。
「...ッ!!!」
突き放したように私を押した。
ドン!!
鈍く、泥々した音が響く。
「いっ...つぅ」
背中がヒリヒリする。彼は俯いて
「..ごめん」
と言って部屋に戻った。...その後ろで私はそっと言った言葉は
「...好きだから。じゃぁ、ダメなのかな。」
と、ボソッと言った。