第3章 夜桜。
わ……私、どうすればいいの!?
悩んでいる間にリュウセイ先輩の背中は遠ざかって行き、雨足は強くなる。
彼は振り向きもしない。
私が追いかけると高を括っているから?
それとも追いかけなければ、ここで終わりでいいと本当に思っているから?
私の足は動かない。
リュウセイ先輩の姿は公園の入り口に差し掛かり、すれ違った二人組の女の子が彼のほうを振り返って囁きあった。
今夜の予報は大雨。
おそらく大方の桜は散ってしまうだろう。
一瞬の命を謳歌して舞い散る桜。
私も、潔く散るべきなのだろうか。
それともなりふり構わず頼りない枝にしがみついて、振り落とされるまで待つべきだろうか。
私は––。