第9章 決着のとき……
柚姫が叫ぶと同時に、明るかった空が急に暗くなったのだ。この事に、誰もが驚くことだろう…。
「えっ!?急に真っ暗になったっスよ!?」
「黄瀬、それは分かるが…今は、戦いに集中しろ!!」
「分かってるっスよ!笠松先輩!!」
あまりの暗さに、黄瀬は驚いていた為、笠松が黄瀬に注意をする。
柚姫は、手を空へと掲げて、再び叫ぶ。
「Quando lo mostro adesso! Una doccia di meteora!」
すると、空から流れ星が見えてきた。そう、今まで柚姫が詠唱をしていたのは、流星群を降らせる為だった。
その沢山の流星群は、突然変異の杲良に向かって落ちていく。
その様子から洸汰の瞳には、柚姫のことを尊敬を写していた。それを読み取った赤司は、フッと僅かに笑みを零す。
「本当に彼女は凄いね。」
「あぁ…、やはり、俺にとっては遠い存在だが…俺は、姫様に柚姫に仕えて良かったと思っている。後悔はない。」
洸汰の言葉に赤司は、そうか…と言葉を漏らすばかりだった。
流星群を見た杲良は、余裕そうな表情をしていた。鋭い触手でガードを取ろうとするが、その様子から柚姫は、僅かに笑みを零す。
「無駄ですよ…。だって、それは…。禁断の術の一つですから…。神禮家が誇る最大の術でもあるのですから…。」
大量の流星群は、突然変異の杲良の触手を突き破り、直接攻撃となった。
この瞬間でも分かる。とても威力があるということを…。そして、突然変異の杲良の体が、大きな穴が出来た。