第9章 決着のとき……
しかし、光瑠は一振りするだけで襲い掛かってきた触手を全て、斬り捨ててしまった。物凄い威力があるといえる。それを見ていた洸汰は、すげぇ…と僅かに呟いていた。
だが、斬られた触手は、すぐに再生してしまう。やはり、杲良も負ける気は毛頭にないらしい。
「 Mi riunisco, e là essere questo in uno nel cielo. 」
柚姫は、次の詠唱に入った。今回は、かなりの時間が必要。それだけ、強力な術だということだ。
光瑠は、少し悲しそうな表情を見せていたが、すぐに真剣な表情へと戻し、普段とは比べものにならないぐらいの低い声で言う。
「本当の殺し合いをしようじゃないか…。母様や父様の仇を取らせてもらおうか…。情けはかけない…。」
「オ前モ、地獄ニ落トシテヤル。」
「いいや、違うね。地獄に落ちるのは…叔父上だぁ!!」
光瑠は、右足に力を入れて突然変異の杲良との距離を一気に縮めるのだ。
一方で、数多くの突然変異の生き物が集まって来るということで、待機をしている黒子達。やはり、次々と突然変異は姿を現していく。
「じゃあ、火神君…背中は任せました。」
「んな、ことは分かってる。任せろ。」
黒子と火神は、お互いの顔を見てから僅かに笑い合い、刀を構えて、突然変異に攻撃を仕掛ける。
他のメンバーもそうだ。お互いの背中を護るように戦闘を行なう。
そして、柚姫の方でも動き始めた。
「 Questo; la rovina, e arriva al mio cielo di preghiera! 」