第9章 決着のとき……
「私をどうか…使って下さい。私は、貴方様をお護りすると誓った身です。そして、これも私が覚悟して貴方様に全てを捧げます!」
賢次は、地面に刀を刺し真剣な瞳で光瑠を見る。賢次の瞳は、光瑠の心を射抜くような感じが伝わる。
光瑠は、歯を噛み締めてから表情をすぐに変えて背中を賢次に向けて告げる。
「分かった、賢次。お前を信じる。」
それだけを伝えた光瑠は、息を吸い吐き出して、声を張り上げる。そのとき、光瑠の体が光始める。
「神禮一族を全てを背負い、俺は今から禁断を犯す!賢次よ、俺の剣になれ!!」
「はい、全てを貴方様に捧げます!」
賢次の体は、光に包まれ光瑠のない筈の右腕に集まっていく。完全に光の輝きが終わった時、光瑠の右腕が復活し『風』を纏った刀が出現する。これが、賢次の刀の姿だった。
それを見ていた黒子達は、凄いというばかりの驚きの表情をしていた。勿論、その様子を見ていた柚姫や洸汰も驚きの表情を隠せない。
「あんな方法があるとは驚きだね。」
赤司は、洸汰に話し掛ける。赤司の言葉に、頷く洸汰はどこか悔しそうな表情をしていた。それを読み取った柚姫は、洸汰に話し掛ける。
「洸汰。貴方は貴方のペースで力を得ればいいの。無理にやっても何の意味がないの。大丈夫、私は貴方の力を信じています。」
柚姫の優しい声に、洸汰の表情も一気に変わった。