第9章 決着のとき……
光瑠は、最初難しい表情をしていたが、やがては苦痛の表情へと変えてしまった。
「くそがぁ!!まさか、叔父上は…超即再生を持っているのか!!」
「言ッタ筈ダ。僕ヲ嘗メルナ、ト…。オ前達ノ力デハ、僕ニハ…勝テナイ。」
まるで、絶望的な言葉だった。だが、こんな事で諦める光瑠ではない。いや、黒子達もそうだ。すると、賢次は光瑠の横に立ち言った。
「光瑠様、私を貴方様の右腕…剣になりましょう。私を使って下さい。」
賢次の一言に、目を丸くさせる光瑠の姿があった。はっきり言ってこれ程まで光瑠が驚いたことはなかった。やがては、僅かに顔を歪める光瑠は、賢次に怒鳴る。
「賢次!それ、意味分かってて言ってるのか!?お前が俺の剣になるまではいいが、剣になってもし…もし、剣が折れれば…お前は死を意味してるんだぞ!!」
光瑠の言葉ですら、表情を変えない賢次は、コクリと頭を縦に振るだけだった。賢次は、能力を使えるようになり、そして、賢次は、自分を剣にして欲しいという。剣はその持ち主の能力が強い程、剣の威力が変わる。
「賢次様、それは禁断ではないですか?」
ずっと、戦いの様子を見ていた洸汰が賢次に質問をする。勿論、賢次は、先程と同じく頷くばかりである。しかし、賢次はですが…と言葉を繋げようとする。
「…光瑠様、私は貴方様を信じています。」
賢次は、光瑠の目の前で跪く。