第8章 覚悟と決意
「…分かりました。」
柚姫は、それだけを呟き、両手を握り締めて、足元に呪文陣が現れる。
「Dia la protezione in modo che quella persona chiamasse i passaggi di fedeltà.」
赤司が言っていたイタリア語を、唱え始める柚姫。そして、黒子達、全員の足元にも呪文陣が現れては、暖かい光に包まれる。
これは…と言葉を漏らす黒子。そして、何となくだが、先よりも身体が軽くなったような感覚になる。それは、柚姫の術が効いている証拠だ。
「貴方達に、加護を与えました。暫くは、身体が軽くなり一定の間、攻撃を受けません。無理はしないで下さいよ。」
僅かに微笑みながら柚姫は、黒子達にそう言う。逆に黒子達も笑っては、その瞳には、お前もな…という事を訴えていた。
さて…と改めて声を出す光瑠は、左手で刀を強く握り締め、突然変異の杲良の方を向く。
「……これで、終わりにするぞ。これ以上…叔父上の思い通りにさせねぇよ。」