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異世界の住民2【黒子のバスケ】

第8章 覚悟と決意


赤司の言葉が、1つ1つ赤い瞳の柚姫に届いていく。そして、僅かに顔を歪める赤い瞳の柚姫の姿があった。

「黙れぇぇぇ!!私は何もかも殺す為に生み出されたぁぁ!貴方の言葉は、私にとって無意味よ!!」

赤い瞳の柚姫は、叫ぶ。だが、逆にふっと口元で笑う赤司。そして、ゆっくりと口が動く。

「それはどうかな?本当の君は、強い筈だ。こんな奴に負けるわけがないだろ?」

更に、赤い瞳の柚姫の表情が大きく歪む。そして、持っていた刀を振り下ろす。それを、見ていた黒子達の表情は強張るばかりだ。

「赤司!!」

「姫様ぁぁぁーッ!!」

黒子と洸汰が、叫ぶと同時に振り下ろした筈の刀の動きが止まる。刀の刃先は、赤司に付く直前で、止まっていた。そして、代わりに落ちてきたのは、ポタポタと涙を流す柚姫の姿。

「わ……たし……は……。」 

瞳を見れば、綺麗な金色に戻っていた。本当の柚姫だ。赤司や洸汰の問い掛け、それに黒子達の言葉で正気を取り戻した柚姫。

柚姫は、持っていた刀を地面に落とす。そして、繋がれていた筈の金色の鎖も解かれた。まさに、奇跡だ。

「……私は皆を…殺そうとしていた…?」

「やっと……自分を取り戻したか…。」

柚姫の声は、とても弱々しかった。だが、赤司はどこか安心した表情を見せていた。やがて、赤司は柚姫に手を伸ばし、涙を流している為、優しく拭いてあげる。

「……柚姫。大丈夫か?」

「征十郎……私は……。」

赤司の問い掛けに、何かを応えようとしていたが、柚姫の口が一度止まってしまう。
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