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異世界の住民2【黒子のバスケ】

第8章 覚悟と決意


赤い瞳の柚姫が、振る刀は一回一回が重い。その一回一回を確実に受け止める洸汰は、厳しい表情を見せる。

「あらあら、どうしたのかしら?さっきよりも、弱いわよ!」

「っ!!!」

赤い瞳の柚姫の右足が、洸汰の腹に入り込む。そして、そのままの勢いで、いとも簡単に吹き飛んでしまった。洸汰の口から鈍い声が出される。

洸汰は、腹を抑えながら立ち上がろうとしていたが、足に力が入らず立ち上がれない。それに近付こうとし赤い瞳の柚姫は、一本一本歩き始める。

その時、赤司が動き出した。持っていた武器を捨てて、赤い瞳の柚姫の前に立つ。

「征ちゃん!?」

実渕は、驚きながら赤司に向かって言った。赤司は微笑んで実渕に大丈夫…と瞳で訴え、すぐに赤い瞳の柚姫の方を向く。勿論、不思議に思ってしまった赤い瞳の柚姫。

「どういうつもりかしら?」

「目を覚ませ、本当の君を。武器を持ってない人と戦った時、君ならどうする?」

赤司の言葉に、首を傾げる赤い瞳の柚姫だったが、やがてはクスクスと笑い出した。どうやら、赤い瞳の柚姫にとってはとても可笑しかったみたいだ。

「……勿論、殺すわ!!」

「あぶねぇよ!赤司!!」

「………。」

赤い瞳の柚姫は、刀をギュッと握り締め赤司に襲い掛かる。それを見ていた火神が呼び掛けるが遅かった。赤い瞳の柚姫は、赤司の上で馬乗りをする。

赤司が倒れても、無抵抗だった。本当に何もする気はなかった。たが、まだ微笑んでいた。

「無抵抗な人だったら、君は殺さないはずだ。逆に守ろうとしないか?本当の君なら…。」
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