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異世界の住民2【黒子のバスケ】

第8章 覚悟と決意


賢次は、光瑠の首元に腕を通して仰向けにさせる。その時の光瑠の表情は、どこか穏やかな顔をしていた。優花は、立ち上がって光瑠にゆっくりと近づき、座る。

「光瑠様…こんなことしかできなくて………申し訳………ありません………。」

優花は、悔しそうに光瑠に謝る。その時だった。

「そんなことない。賢次、優花…よくやった……迷惑を掛けた…。」

光瑠は、目を開きしっかりとした声で賢次と優花に呼び掛ける。勿論のこと、驚きを隠せない2人。それだけではない。黒子達だって、驚いていた。本来なら死んでいる筈だった…。

「……何故……?」

「それは、また後で話す。あの方に助けてもらった…。傷も塞がった。それに、思い出した。すまないな、優花…お前を1人させてしまって、男として失格だな。」

光瑠は、右手で優花に向かって手を伸ばす。その光瑠の右手を包むように優しく握り締める優花の表情は、先程よりもどこか穏やかに見えた。そして、光瑠の言葉を否定するかのように首を左右に振る。

「……いいえ、光瑠様が戻ってくれるだけで……私は……。」

「あぁ………ありがとう、優花。」

光瑠は、優花の微笑みだけで安心する様子が伺えた。そして、まだ戦闘を続けている赤い瞳の柚姫と洸汰。豹変している赤い瞳の柚姫を見た光瑠は、どこか悲しそうな瞳をしていた。

「早く、自分を取り戻せ…柚姫。」
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