第8章 覚悟と決意
「どういうことだ?」
笠松が難しそうな表情しながら洸汰に質問をしてしまう。歯を噛み締め刀をギュッと強く握り締め静かに黒子達に説明をする。
「術は本来、詠唱をしてから使うものだ。こうやっていきなり発動もできるが…ただ、詠唱を唱えずにやると、それだけ体に負担を掛け…寿命を削ることになる。」
洸汰から出た言葉は、寿命を削るというのだ。それを聞いていた黒子達の顔色も変わる。洸汰が言った通りに、詠唱をしてから術を発動するなら、体の負担はない。詠唱なしに術を発動させてしまうと、体に大きな負担を掛け、最悪、寿命を削ってしまう。
詠唱は、その術を準備する時間…。そして、その時間を体は自然に負担を掛けないように防衛反応を起こす。だが、その防衛反応をなし発動は、かなりの負担を掛けてしまう。
「アハハハッ!いいわね、その顔。怒りに満ちたその表情…。苦痛の表情も良かったけど、その表情もいいわね。ゾクゾク、するわ。」
「貴方は、狂ってます。柚姫さんの体で遊ぶのは止めて下さい!」
赤い瞳の柚姫は、愉快そうに笑っていたところ、黒子は睨み付けながら普段大人しい声なのに、怒りの声を出したのだ。それを聞いていた、赤い瞳の柚姫の笑い声が止まる。
「五月蝿い子だね。先に殺されたいのかしら?いいわよ…、先に殺してあげるわ!」
黒子の言葉に、苛出せたのか赤い瞳の柚姫は黒子に狙いを定めて動こうとしたとき、洸汰が動き赤い瞳の柚姫に攻撃をする。それを瞬間的に受け止める赤い瞳の柚姫。
「言ったろ、殺させはしない。姫様が大切にしていた人達だから…俺が守るって決めた。」