第8章 覚悟と決意
さつきは、今にでも泣きそうな表情をしながら、赤い瞳の光瑠に向かって反論の声をあげる。まして、隣にいた青峰も赤い瞳の光瑠に睨み付けていた。
「なんとでも言えばいい。俺には関係ないことだ。」
赤い瞳の光瑠は、それだけを言って再び賢次に襲い掛かる。賢次は、歯を噛み締めながら攻撃を防ぐのだった。
一方で洸汰の方では、赤い瞳の柚姫の強力な連続攻撃で苦戦をしていた。かなり暴走をしていると考えても可笑しくはない。だが赤い瞳の柚姫は、この状況を一番楽しんでいるみたいで、ずっと不気味な笑みを浮かべていた。
「あらあら?さっきの勢いはどこにいったのかしら?私を楽しませなさい!」
「っ!?」
赤い瞳の柚姫は、一端洸汰から離れたと思ったら、いきなり術を発動をさせるのだ。それもかなりの強力な白いレーザーだった。間一髪で、かわした洸汰は、目を見開き驚いていた。本来なら、術は唱えなくてはならない。
しかしながら、今回は唱えることなく術を発動させてしまった。それに、とても驚いていた。赤い瞳の柚姫は、愉快そうに自分の手を見ていた。
「あぁ…いいわね。この子の体は。才能のある天才かしらね?詠唱をすることなく、発動しあの威力…素晴らしいわ……。」
「なんて、ことをするんだッ!!詠唱をしないとどうなるか、分かっているのか!!」
洸汰の瞳が一気に怒りへと変わる。洸汰は、赤い瞳の柚姫に向かって怒鳴る。だが、それでも赤い瞳の柚姫の表情が変わらない。どこか、楽しそうにしている。