第7章 破壊衝動
柚姫は、それを一瞬にして伝わった。でも簡単に柚姫の口から返事の言葉は出せない。思わず、口を紡ぐしかないのだ。それを気付いた赤司はどこか寂しそうな微笑みを見せる。
「大丈夫、今すぐ返事をくれ…という意味ではないよ。待ってる。おやすみ……柚姫。」
赤司は、それだけを言って柚姫の部屋を出て行った。その場に残った柚姫は、自然に自分の手を胸に当てる。そこは、鼓動が速く鳴り響いていた。
「………嬉しいけど………私は…………。どうすれば………。」
柚姫は、戸惑いの表情をするばかりだった。自分の気持ちは、どうなのか未だ分かっていなかったのだ。
だが、この後、地獄のような出来事が待っているのは誰にも分かっていなかったのだった。