第7章 破壊衝動
しかしながら、それ以上かそれ以下の実力かも分からない。だが、それでも容赦はしない柚姫。
意識の中で戦うのなら、それを抗い自分と戦うことを躊躇わない。相手に弱味を見せてしまえば、そこで終わりだ。
赤い瞳の柚姫は、もう殺意しか放ってはいなかった。完全に、柚姫の体を乗っ取ろうとしている。柚姫は、大きく振り払い相手を吹き飛ばす。
赤い瞳の柚姫は、いとも簡単に吹き飛ばされ体勢を崩すがすぐに立ち直る。
「殺してやる、殺してやる。貴方の大切な人達…皆をッ!」
「記憶がなくても、分かるよ。大切な人達を守る役目を持っているということを…。だから、負けないよ…。」
赤い瞳の柚姫は、歯を食いしばってはもつ一度襲い掛かる。柚姫も刀を構えて、受け止めようという体勢に入った。その時に、柚姫の背後から声が聞こえてきた。
柚姫を呼ぶ声が耳に入ってくる。その時に、強い光が柚姫を包み込む。あまりの眩しさに目を瞑るしかなかった。
「待てッ!どこにいくつもりよッ!」
赤い瞳の柚姫は、荒々しい声を張り上げては、柚姫に斬り掛かる。しかし、その前に柚姫は光に包まれて消えてしまった。その様子から赤い瞳の柚姫は、舌打ちをするしかなかった。
柚姫の瞳がゆっくりと開く。そこに映るのは、赤司と洸汰の姿と見慣れた自分の部屋だ。
「柚姫。大丈夫か?」
「…姫様、どこか調子が悪いとかありませんか?」
赤司と洸汰は、心配そうな表情をしては柚姫に優しく問い掛ける。