第7章 破壊衝動
城の外へ行けば、辺りはやはりとても暗かった。雰囲気的には、突然変異が出てきても可笑しくはない。3人は、警戒を高めながら辺りを見回す。
「いないね~。」
「……もう少し、先に行ってみましょう。」
優花の胸の中は、不安で一杯だったがそれを押し殺すように冷静に判断しながら城から離れていく。
数メートル歩いてから変化があった。地面に、赤く染まっていて突然変異が倒れている。いや、もう既に死んでいる。それに、一匹だけじゃなかった。
相当の数が倒れされている。誰が突然変異を殺したのか、分からない。ふと氷室が前を向いたら、何かを見つけた。
「あれは………。」
氷室が呟くように言って、一斉に見る。其処には………。
「…光瑠様!!」
そう、光瑠がいた。近付こうとすると光瑠の周りには突然変異である狼が沢山倒れていた。それだけではない。光瑠の様子もおかしかった。
相当の数を倒した為、光瑠の全身は血で真っ赤に染まっていた。夜のせいか、光瑠の瞳はぎらぎらと怪しく光っていた。
「………光瑠…様?」
優花が呼び掛けても返事がない。光瑠はゆっくりと振り向くが其処からなぜか殺気を感じてしまう。それに気付いた氷室は、優花に言う。
「優花さん。何か変です。」
すると、光瑠は軽く刀を上げる。刃先を優花達に向ける。それに気付いた皆は、一歩後ろに下がる。
「光瑠様!どうされたんですか!?」
「………。」
優花が光瑠に呼び掛けても、返事がこない。