第7章 破壊衝動
賢次は、各自に指示を出しては解散するのだった。黒子たちは、各自それぞれ行動に移り、残った賢次、洸汰そして、優花は話し合っていた。
「姫様と光瑠様のことです。私たちは、けして目を離してはなりません。」
賢次は、真剣な瞳で洸汰と優花を見る。その瞳を見た2人は、ただ事ではないと感じ取る。
「分かった。けど、なんでだ?」
「私にも分かりません。しかし、嫌な予感がします。」
「それは、賢次さんも分からないけど、もしかしたらの場合を考えてですか?賢次さんの勘はよく当たりますからね。」
優花は、真剣な瞳で賢次に伝えてしまう。その様子から賢次は、苦笑をしては、やめてください…と呟くように言っていた。
結局、柚姫と光瑠は起きないまま夜を迎えてしまった。ふいに何かを思ったのか赤司は、柚姫のことを心配に思っては部屋へと向かう。
「柚姫。入るぞ。」
柚姫の部屋をノックしては、部屋に入る。すると、ベッドの上で体を丸めて苦しむ柚姫の姿があった。その姿を見た赤司は、慌てて柚姫に近付く。
「どうした?!しっかりしろ。」
「あ、あぁぁ…っ…。征……十、郎…?」
柚姫は、苦しみながらも赤司の名前を呼んではその方向を見る。よほど、苦しいのか目には涙を溜めては、掛け布団をぎゅっと力強く握っていた。
「っ、大丈………夫だ、から…。」
「いや、そうには見えない。」
柚姫は、心配掛けないようにと、言葉を繋げる。