第7章 破壊衝動
全ての準備が整った賢次は、リビングに向かって扉を開けば、柚姫と光瑠以外の人達が集まっていた。
「では、詳しく聞かせてはもらえないでしょうか。」
賢次が尋ねれば、赤司と黄瀬がお互いの顔を見てから話始めた。いつもどおりに、鎖を解こうした瞬間に、柚姫が苦しみ出したという。
それを聞いていた緑間も、光瑠と同じだということを説明する。ついでに、自分の刀で自分の太腿を刺したということも説明した。
その話を聞いた賢次は難しそうな表情をしていた。柚姫と光瑠は、今、自分の部屋で深い眠りに入っている。
「かなり不可解ですね。同時に苦しみだすというのは…。」
「私の予想だと、2人を繋いでいる鎖に何かあるんじゃないのかしら?」
実渕が、そんな提案をする。確かに2人の共通点といえば、金色に光る鎖だ。その鎖も謎のままだ。もし、鎖が何かの原因だとすれば早めに解決をしなければならない。
「桃井。柚姫の様子はどうだった?」
「柚姫が部屋に運ばれてから、一度も目を覚まさないよ。疲れてるとしか分からないな。」
赤司が心配そうに今まで看病をしていた桃井に問い掛ければ、複雑そうな表情で答える桃井。
「優花。光瑠様の様子は?」
「いいえ、賢次さん。姫様と同様に、目を覚ましません。」
賢次は、光瑠の様子を優花に尋ねれば、悲しみの瞳をさせながら答える優花の姿があった。
「分かりました。一度、解散をしましょう。洸汰と優花は残って下さい。あとの皆様は、姫様と光瑠様の様子をお願いします。」