第3章 安否
「それでもやるのが征ちゃんでしょ?」
実渕は、微笑みながら赤司に向かって言う。赤司は口元を僅かに吊り上げ、あぁ…と短く答える。
「大丈夫なのかー?その術式は…。」
笠松は、そんな事を赤司に質問をする。それも問題ないかのように頷く。じゃあ、始めようか…といきなり始めようとする赤司。
「え、いきなりですか?赤司君。」
「あぁ。そのつもりで集めたが?」
「待て待て!いきなりすぎるだろ!!」
赤司が突然始めようとした為、皆はとりあえず驚きの表情を浮かべるばかりである。流石の黒子や火神も驚いている。それでもお構いなしに先を進めようとする赤司。
「Mi dia, tu si trasferisci. Si riunisce e libera la luce adesso. 」
赤司の口が動き始める。やはり赤司なのか発音があまりにも綺麗だった。それを恨むかのように見る緑間。
「Do il mio potere a tu. Apra una porta vietata!」
赤司が全て言った後、なにも起こらなかった。
「なんも起こんねーじゃねぇかー。」
青峰がそんな事を言った瞬間、皆が身に付けているブレスレットがいきなり光始め、皆を包み込む。勿論、突然の出来事に皆は驚きを隠せなかった。
皆が次に目を開けたら、違う場所にいた。緑豊かな場所だ。荒れた土地などなかった。しかし、どこか寂しさを感じさせる。
「成功…したんスかね…?」
「ねぇ!皆のブレスレットが!」
桃井の声で皆は、それぞれのブレスレットを見る。ブレスレットは、先ほどとは違って朽ち果て外れる。外れるブレスレットは、地面へと落ちる。