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異世界の住民2【黒子のバスケ】

第6章 不可解なこと…


「黄瀬、柚姫の言うとおりにしよう。」

「赤司っち…。分かったっスよ…。」

その様子から感じ取った柚姫は、口元を緩めては、辛そうな表情へと戻す。黄瀬の袖から手を放しては荒れた呼吸を整えようと必死になる。

だが、それを許さないのか何かが柚姫を襲う。その度に、柚姫の顔は歪む。全身に何かが這い回る。重い何かが柚姫を苦しめる。

「赤司っち!俺達に何かできないことはないんスか?!」

「………。」

黄瀬の言葉に何も返せない赤司。赤司は、悔しそうに表情をしながら苦しんでいる柚姫を見るしかなかった。

「っ……あ………あぁぁぁ…。」

柚姫は、言葉を僅かに漏らしながらひたすら耐える。

──殺せ。コイツらを殺せば楽になる…。

何故か、柚姫の脳裏から聞こえてくる負の声。思ってもいないのに、そういう言葉が聞こえてくる。声が、柚姫にそう呼び掛ける。

しかし、こんなことで負ける筈もない柚姫だ。その負の声は、もしかしたら自分の心の中だと思ってしまうが、それを自分で否定をする。

──殺しても後悔だけが残る。だから、私は…負けない。

柚姫の強い意志で、その負の言葉を払う。その瞬間、一気に身体が楽になった。荒い呼吸を整えようとする。ひたすら、耐えていた為、嫌な汗が柚姫の頬を伝う。

その汗を拭き取っていく赤司は、苦しそうな表情をしては、柚姫に謝る。

「すまない。俺達が傍にいながらも…。」

「………大丈夫だよ。……誰かがいないよりも心強いよ。ありがとう、征十朗、涼太。」
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