第6章 不可解なこと…
柚姫も優花の料理を一口食べては、頬を緩ませる。そう、優花の料理を食べてから心の中がとても軽くなったと感じたのだ。
「…美味しい…。」
「姫様に喜んでもらえて、とても光栄です。」
柚姫の一言だけに、優花は満面の笑みでそんなことを言う。優花は、柚姫と光瑠に再会できてとても心から喜んでいるのだ。
例え、2人が記憶がなくとも。無事ということに安心をしていたのだ。
「敦、もう少し綺麗に食べないか?」
「え~…。分かったよ~…。」
美味しすぎたのか、紫原が先に完食をしてしまったのだが、まだ食べ残しがあった為、氷室が注意をすると、紫原は面倒くさいそうにしていたが、また綺麗に食べ始める。
朝食を食べ終わった所で、各それぞれ行動に移る。光瑠は記憶を取り戻す為、今日も書類室に入っては、今までの履歴を調べ上げる。
その神禮家での日記や歴史が残っている。記憶をいち早く取り戻すのには一番手っ取り早い。柚姫は、記憶もそうだがまず鎖をどうにかしようと考えたのだ。
だから、今も地下室に行っては鎖を解こうとする。床に座り鎖を握り締め、目を瞑る。その時、柚姫の後ろから声を掛けられる。
「柚姫っち!何をしてるんスか?」
「黄瀬、柚姫の邪魔をするな。」
「な、なんで、赤司っちが怒ってるんスか!?」
黄瀬が柚姫に声を掛けていたら、赤司が怒り始めた為、その様子から黄瀬は驚くしかなかった。2人のやり取りに、クスと笑い出す柚姫。
「征十朗に、涼太。ちょっと、待ってね。鎖を解こうとしてた所だから…。」