第6章 不可解なこと…
そう、結界は神禮家ではないと張れない。しかし、柚姫と光瑠は結界は張ってないと言い出す。
じゃあ誰が…と疑問に思ってしまう。しかし、記憶にない柚姫と光瑠は、洸汰を一瞬だけ見ていたが、それに気付いた洸汰は、違うというばかりに首を左右に振る。
だが、その考えを放棄しようと青峰は、はぁ~…と大きな溜息を付く。
「別にいいじゃねぇ~か…。誰が何をやっても…。」
「青峰君だけですよ、そうやって考えを放棄するのは…。」
「テツ…それどういうことだよ?」
黒子の言葉に、反応してしまった青峰は目を細めれば黒子を睨み付けるように見ていたのだ。結局は、やることは決まらずそれぞれ自由となった。
城の中は、とりあえず安全ということで自由行動へと移った。光瑠は、調べることがあると言っては、書類室にいるというのだった。
柚姫は、地下に戻っては自分が繋がれている鎖を解く方法を考え始める。引っ張ることをしても千切れないのは、もう分かったことだ。
この鎖は、術によって繋がれているのだ。だから、引っ張っても千切れない。解く方法といえば、術を掛けた者を捜し出すか、それを解く術式を捜し出さなければならない。
非常に、面倒くさく何よりも難関な問題となっていた。柚姫は、床に座り込んで右手で金色の鎖を握り締め目を閉じて何かに集中させる。
不思議な感覚に陥る。水の底に落とされる感覚で、目の前は底が見えないほど深いものだった。無意識に柚姫は、見えない深い底に向かって手を伸ばす。
しかし、ピタッと何かに触れた。