第5章 籠の中の鳥
氷室が紫原に尋ねると、紫原はプイと他の方向を見ていた。
「赤ちんに、脅されて起きただけだし~…。」
紫原は、どこか不機嫌そうな顔をして答える。赤司を見れば、笑っているだけで脅したという雰囲気はなかった。
赤司は、クスと笑い顎に手を当てて静かに言う。
「脅してなどいないだろう?起きないと、どうなるか、分からない…と言っただけだが?」
「だから、それが脅しだって言ってんだよ!」
青峰は、顔を歪ませながら赤司に反抗をする。その話を聞いた火神も、少し何か苦そうな表情へと変える。
「赤司が言った言葉じゃあ…冗談にも聞こえねぇからな……。」
それに賛成するかのように、頷く紫原がいた。
「というか~、ご飯ってどうすんの~?」
そう紫原の言った通り、まだ朝食のことを考えていなかったメンバー。城は、立派に直っても街の方は壊滅な為、食べ物もか育たない。
「…城が直ってるという事は…もしかしたら倉庫にあるかもしれない。俺が取ってくるから、待っててくれ。」
思い出した洸汰は、食料がある倉庫に向かう事になり、柚姫と光瑠の前で軽くお辞儀をしてから、リビングを出て行く。
残されたメンバーは、食料が来るまで待つ事になったが、誰が作るのか…という問題にあたる。すると、はいはーい!と手を上げる桃井。
「だったら、私が作るよ!」
桃井の一言に、一斉に顔色が真っ青になる。勿論の事、柚姫と光瑠は桃井の料理がどういうモノか知らない。
「やめろ!さつき!お前が作った料理は、殺人になりかけねぇよ!」
「え~!大丈夫だよ!」
「全然、大丈夫じゃねぇんだよ!!マジで、死にかけるぞ!」