第5章 籠の中の鳥
緑間は、険しい表情をしながらそんな事を言う。黄瀬も、難しそうな顔をしていた。
「俺達が、サポートすればいいんでしょ~?だったら、明日からいっぱい話すればいいんじゃないの~??」
「紫原君の言う通りですね。僕達がきっかけを作って記憶が戻れるように努力しましょう。」
紫原の提案で、赤司が決まりだな…と僅かに笑みを浮かばせてベッドから立ち上がり扉に向かって歩き始める。
赤司がドアノブに手をかけた時に、後ろから青峰の声が聞こえてきた。
「おい、赤司。どこに行くんだよ?」
「外の空気を吸って来るだけだ。眠いのなら、先に寝てるといい。」
赤司は、それだけを皆に伝えて部屋を出て行くのだった。一方で、火神達の部屋では同じような事を話していた。
火神は、ゴロンとベッドに横になって天井を見上げて言う。
「記憶か…。どうやったら、元に戻るんだ?」
「記憶って、きっかけか何かの衝撃を与えれば元に戻りやすいって、聞いた事ある。」
笠松が顎に手を当てて考えて込んでいた。
「衝撃か……。難しいな…。」
氷室も悩んでいた。
「例えば、階段から落とす…とかどうっすか?」
「駄目よ!特に女の子の柚姫ちゃんには!」
高尾の発言に、反対をする実渕。高尾は、ヘラヘラと笑いながら冗談っすよ~と言っていた。衝撃という課題に悩んでいたメンバーだったが、結果的には自然に接触をしようと考えたのだった。
赤司は、外の空気を吸ってくると皆に伝えた為、城の外へと出ると其処には、柚姫の姿があった。赤司は、夜空を見上げている柚姫の後ろから声を掛ける。
「柚姫。どうしたんだ?こんな所で…。」