第4章 記憶と鎖
それを聞いた賢次は、少し焦りの表情を見せて言った。
「お怪我とか、ありませんか?」
「ふっ、お前は心配性だな。大丈夫だ。記憶が無くとも、身体が覚えてたからな。」
そう、記憶がなくとも身体が覚えていたらしくスムーズに、動けて突然変異を倒した光瑠。
「とまぁ…お前らは異世界から来たって言ってたな?」
「あぁ…そうだが…?」
突然と光瑠は、黒子達に質問をする。それ答える笠松は、そんな事を言っていた。それを聞いた光瑠は、少々呆れた表情を見せる。
「一つ言っていいか?お前らは………馬鹿か?」
「だ、誰が馬鹿だ!!」
馬鹿という言葉に、過剰反応してしまう青峰は、ガタッ!と思わず立ち上がってしまう。それでも、態度が変わらない光瑠。
はぁ~…と溜息を1つ零して足を組み言った。
「お前らは、一度元の世界に戻った。しかし、あまりにも心配でまた此方の世界に来てしまった。阿呆か?」
「仕方ねぇじゃねぇかよ!!心配しちゃいけねぇのかよ!?」
「大我…落ち着け。」
青峰に続き、火神が反論してしまう。それを止めようとする氷室の姿。それを黙って見ていた柚姫。それだけではない。光瑠は、目を細めまるで睨み付けるようにも見える。
「この世界は、どうなってるかはお前らの方が分かってる筈だ。記憶がない俺や柚姫よりも…。今から言っておく…帰れ。今すぐに、だ。柚姫は、術式を頼む。」
「………分かった。暫く時間掛かるけど…。」
そう言った柚姫は、椅子から立ち上がった瞬間だった。
「俺達は、帰らない。何を言われようとも。」