第4章 記憶と鎖
それを見た皆は、言葉を失う。よく見れば腕だけではない。両足にも金色の鎖が繋がれていた。
「俺が目を覚ましたのは、昨日だ。起きたときから、鎖に繋がれていた。壊そうとしたが、断ち切れない…。」
光瑠は、腕に付いている鎖を見詰め苦しげな表情へと変える。鎖は、とても長くそれも城から繋がっていた。
光瑠は、動ける範囲は城から現在いる場所までしか行動できないみたいだ。何としても鎖を解こうとしたが、行動範囲が決められているため、思うように動けない。
「すまないが、柚姫という女の子を見てないだろうか?光瑠さんとそっくりな子だが…。」
赤司は、柚姫の詳細を光瑠に尋ねる。記憶がないがそれでも質問をする。光瑠は、うーんと手を顎に添えて数秒考えていた。
「名前は分からないが…俺とそっくりな奴はいる…。」
やはり、記憶がない分答えるのが難しいが確かに、光瑠はそっくりな奴はいると答えたからまだ希望はあると感じていた。すると、光瑠は皆に…案内すると言ってから歩き始める。
暫く歩いていたら、地下室へと案内させる。その場所とは、黒子達と柚姫達が最後別れた場所だった。
しかし、傷1つもなかった。綺麗に再生されているのだ。
「ここは……。」
「俺達が別れた所なのだよ…。」
高尾が零した言葉に、返事をするかのように答える緑間。やがて、光瑠はある壁のスイッチを見つけ出し押すと、扉が開かれ奥の部屋へと案内されるが、賢次と洸汰は不思議そうな表情へと変える。
「初めて知った……。」
「秘密の部屋があったとは、私も知りませんでした…。」