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異世界の住民2【黒子のバスケ】

第4章 記憶と鎖


「お前ら、誰だ?」

光瑠から出た言葉がこれだった。意外な言葉に、皆は茫然となってしまう。流石の賢次すら焦りをみせてしまう。 

「私です!久佐元賢次です。覚えてないのですか?!」

賢次が光瑠に呼び掛けても、首を傾げる。そんな…と絶望を感じながらそんな事を言い出す洸汰。だが、腰に光瑠の剣がある。それは、本人である事を示している。

しかし、今の光瑠は別人のように振る舞う。

「それに、俺自身が誰なのか分かってない。お前らは、俺を知ってるみたいだな…。」

「まさかと思いますが、記憶がないのですか?」

賢次の呼び掛けに、コクリと頷く光瑠。そう、光瑠には記憶が一切ない。世に言う記憶喪失だった。賢次は苦しげな表情をする。

やがては、賢次は一旦息を吐き出して、今までの出来事を記憶がない光瑠に話す事にした。

全て話終わった所で、興味深そうに頷く光瑠の姿。そこで、自分の名前を知る。

「光瑠様達が見つけた、場所へ行きましょう。私と共に、行きましょう!」

「それは無理だな…。」

賢次は、光瑠を連れて帰ろうと考え誘うがそれを断る光瑠だった。そのやりくりに何故ですか?!と声を張り上げる洸汰。

「術が使えるお前らなら見えるだろ……?俺の繋いでいる物を………。」

急に、光瑠は暗い表情を見せながら自分の左腕を軽く持ち上げる。その時、ジャラ…と音が聞こえる。

普通の人には見えないが、術を使っている人達なら見える物…それは…金色に輝く鎖。
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